社寺建築の世界では繕い作業が行われます。衣服の破れた個所等を部分的に補修することを繕いと呼んで馴染みがある言葉ですが建築の世界でも特に社寺建築では繕い作業を行います。木をいのちと考えているので本当にいのちが尽きるまで使おうとします。ボロボロになったいのちを全うした部分だけを埋め木をしていきます。パッチワークのように1本の木に何か所も埋め木がされていて何とも言えない魅力が出てきます。経済合理性の社会の中では考えられない作業効率の悪さですが伝統建築の世界では引き継がれています。全然違う価値観ですが残していって繋いでいきたい価値観です。写真の埋め木は、久留米の善導寺境内にある建物の縁板で初めて見たときは丁寧な仕事に驚愕したのを記憶しています。
